埼玉、東京で木の家をつくるなら、西川・森の市場|木育をベースに「てにもりの家」を展開するNPO法人です。

森の市場だより

Vol.02 シミズ工務店(工務店)

シミズ工務店

森の市場だよりの第2回目は、工務店のシミズ工務店さんにお話を伺いました。

地の山の地の木を使う

井上淳治さん

シミズ工務店では家づくりに自然素材を使っています。

化学物質が多く使われている住宅は、中に入るとツーンとするにおいを感じることがあります。それを新築のにおいと勘違いしている人がいますが、あれは毒です。そのような住宅に新しく生まれたこどもは、自分の意思で家の外にでることができませんから、毒の中で暮らすことになるのです。これから育つこどもに、害となるものをあてがうことがいいことなのか、そのような所で健康に育つことができるのだろうか、と考えたことが自然素材をつかう理由の1つです。

ですから、新建材を使う現代の大工ではなく、極力それらは使わず、地の山の地の木を使う若い人・大工が育ってほしいと思っています。若い人には「仕事を覚えなさい」「大工の腕をあげなさい」というよりは、自然について、子孫について考えながら仕事をするように、と言っています。

大工仕事のやり方は1つではありません。シミズ工務店のやり方が全てで、それが正解ということでもありません。本物は自分が経験する中でみつけていくものです。ただし、それも不変ではなく、大工を続けていく過程でさらに変わっていきます。いろいろなやり方や考え方、価値観があることを若い人が学ぶ良い機会にもなっているのが、設計士さんとの仕事です。

自分の家を大事にしてほしい

「自分で家をつくるんだという気構え」がお客様には必要です。家を設計する前に方眼紙に簡単な家の図面を描いたものを2〜3パターン用意し、細部をお客様自身に描いてもらっています。自分で自分の家について考えるためです。

また、「どれほどそうじをするか」も大切です。少しでも時間が空いたときにそうじをする習慣があれば、自分の家の細部まで把握することができるからです。施工中の家を見に来た時にそうじをすれば、自分の家の床下まで知ることができますよね。

これが、欠陥のない家につながります。お客様が家を大事にしてくれるからです。

西川材について

シミズ工務店

シミズ工務店では、99%西川材を使用しています。

これから話すことは、あくまで私の考えです。飯能は島国日本の中心部にあるので、そこで育つ西川材は周りの海の影響を受けて、ある程度塩分を含んでいます。木材はある程度の塩分を含んでいないと弱いと私は感じています。だから、西川材は日本全国どこでも適応できると思っています。全国で仕事をさせてもらう機会がありますが、どこへでも西川材を持って行きます。

ただし、その地域に育っている木はそこに適しているから、そこに育っているわけで、やはりそういう木が、その地域で使うには一番丈夫といえると思います。

木材の短所を見極め、それを長所にかえるのが大工の仕事

シミズ工務店

(シミズ工務店さんのパンフレットに、「例えば70年の木で家を建てたとします。木はそこから70年は強くなっていき、あと70年は元の状態へ戻っていきます。つまり、その木は140年もの間家を守り続けてくれます」とあります。どんなときにそう実感するのかたずねてみました)

建ててから何十年、何百年と経った建物を何百棟も壊してきた中で感じたことです。死んでいる生命であるはずの木なのに、伐られてから100年経っていても、加工すると反ったりしてしまいます。木が立っていた頃の姿に戻ろうとするからです。木が生きているといわれる理由の1つです。

現在は、木材の機械乾燥が多く行われています。機械乾燥は、木材の表面には割れが出にくいですが、内部の繊維が切れてしまいます。つまり、目に見えないところが割れています。

シミズ工務店では、木材の在庫を持ち、自然乾燥させるようにしています。ただ、構造材は、ある程度水分を含んでいても大丈夫です。木材の短所を見極め、それを長所にかえるのが大工の仕事です。

西川・森の市場なら木材の産地がわかる

シミズ工務店

西川・森の市場との出会いは代表の井上さん。井上さんとは、きまま工房・木楽里ができた頃からの知り合いです。

会をつくるから協力してほしいと声をかけてもらいました。森林所有者や素材生産業者、製材業者も一緒に活動するというので興味を持ち、それなら他所の材が入ってこないと思いました。木材の産地がわかることの他に、会員さんとのタテとヨコのつながりができたことは良かった点です。

伝統工法の木組みを手仕事で

現在は家づくりにもいろいろな工法、いろいろな素材があります。自分の家づくりに何を選択されるかはお客様次第です。国産材が見直されている中、人の手仕事も見直されています。シミズ工務店では今後も、西川材と自然素材を使用した、伝統工法の木組みの家づくりを手仕事で行ない、みなさまをサポートしていきます。

シミズ工務店 シミズ工務店

シミズ工務店 シミズ工務店

会員名 有限会社シミズ工務店(代表:清水慶吉)
プロフィール

昭和18年5月19日、岩手県に生まれる。

中学卒業後、大工として各地を歩き、西川材産地に魅力を感じ埼玉県飯能市に工務店を設立。国産材、主に西川材で手刻み木組みの住宅や施設の建築を手がけている。また大工の若手育成や木の建物のよさを伝える活動にも精力的に参加。趣味は鮎の友釣り。

主な施工実績:東寺尾幼稚園、リリエンベルグ洋菓子店、雅藤洋菓子店などほか多数

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